あれるげんふりー

アレルゲンフリーと謳った音楽3割 雑談7割の添加物まみれブログ。

Shaded Enmity - Forsaken And Forgotten

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米国産メロディックデスメタル、2013年リリースの4th。

男性グロウルVo擁する3ピースバンド。

こちらは3rdが気に入ったため購入。

この方たちはレーベルに属しておりません。なので3rdに関してはCDじゃなくてmp3で入手したんですけども。

そもそもの話、なんと2015年に解散しちゃってます。これは惜しい。惜しすぎる。メロデスの未来に惜しすぎるんです。

 

そんなShaded Enmityに悲しみの盃を交わしつつレビュー。

まず一言で表すと、叙情メロデスですね。

メロデスで叙情という情景を奏でさせたら右に出る者はいないという声が私の中で多く挙がるInsomnium直系の叙情的なメロデスです。

叙情的を売りにするバンドの中でも、真っ当にメタル的サウンドを追求しているのが判ります。

ほんの少しエッセンス程度のシンセはありますが、98%の大部分においてはギターとドラムでカッチリ聴かせる演奏をしております。しかも技量も展開も文句のつけようがない。本当に上手い。大好物です。

ギターソロでは半端でない泣きのギターを聴かせてくれますし、静と動のメリハリもしっかりとお互いを立てあうように機能してますね。この特徴+曲の構成が正しくInsomnium譲りなんですよね。

何と言ってもこのアルバムの聴き所は、叙情メロデス史に名を刻むであろう#3です。正に必聴モノ。泣きます。己の身も心も、ギターもドラムもVoも全部泣きます。

#9、#10では鬼のようなブラストビートを披露。その勢いで、約9分の大作でありながら、しっかりと盛り上がりを見せて綺麗に纏めてくる展開巧者の一面を覗かせる#10で幕を閉じます。

因みに因みに、ボーナストラックの#12ではNevermoreのVo、Warrel Daneが参加してます。え?なんで最後の最後さり気なく豪華なん?という素朴な疑問はありますが、流石の歌唱力で力強く歌い上げてます。

 

何故だ…何故解散してしまったのか…。

本当に実力のあるバンドですし、実際にDark TranquillityやOmnium Gatherumなどと共演もしていたようです。

才能のあるアーティスト程、何かしらの障害が多いんですよね。

神様はどこまでも意地悪や…。

全世界のファン達を、ギターで泣かせた上に解散という酷い事実で二重に泣かせるという罪深さ…。

 

正に、シンプル(simple)に言ってシンフル(sinful)ですよねぇ…(´・▽・`)

 

(また上手い事言ってもうた。カッコで分かりやすく解説までして優しさも滲み出てるわ参ったなぁ。)

 

結論 : うわ、泣ける程寒いとか言う暇あったらShaded Enmity聴いて泣きなさい。


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【トラックリスト】

1.We Are The Forsaken, We Are The Forgotten

2.This Is Federal

3.Sadness In Summer Rain

4.No Puedo Dormir

5.If Heaven's Gates Are Closed, Will You Wait For Me?

6.And Life Was Great...

7.What Have You Done, Oxycontin?

8.Indica Dreams

9.It Only Hurts In December

10.Prophecies And Pain

11.They Were Only Children[The Touch Of Perversion]

12.Alleviant Sativa

13.And Life Was Great...[feat. Warrel Dane]

 

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3.Sadness In Summer Rain

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Forsaken & Forgotten

Forsaken & Forgotten

 

 

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Fleeting Joys - Despondent Transponder

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米国産シューゲイザーFleeting Joys、2006年リリースの1st。

夫婦2人から成るユニット。

こちらはシューゲイザーであるという情報のみで購入しました。

さて、最近は微妙な忙しさでして更新が滞っておりました。がしかし、こんな感じでゆる〜くやっていきますよ。

人生を束縛されるのは嫌ですね。体を束縛されるのはそんなに嫌なわゲフンゲフゲフンゲフゲフ。

 

はい。そんなこんなで夫婦ユニットさん渾身のデビュー作です。

…貴方はMy Bloody Valentineというバンドをご存知でしょうか?

ロックに精通している方ならご存知のはず。シューゲイザー好きなら勿論のこと。

そんな方々なら、Fleeting Joysを知っている人も多いでしょう。

そんな方々ではない、アナザー方々に私から些細なお言葉でございます。

 

「多分My Bloody ValentineLovelessを最初に聴いた方が何となく良いよ」

 

何を初っ端から戯言言うとんねんこの猿は、と思わないであげてください。結構凹みますので。

だって、マイブラに似過ぎなんですもんFleeting Joys。似過ぎというか、奇跡的なドッペルゲンガーだよねってレベルです。

一曲目が始まった瞬間に、嘘偽りなく、ガチで、笑いました。そんなレベルなんです。

ただ、ただですよ。このバンド、何が凄いって、あの伝説的なバンドであるマイブラに間違えるほど瓜二つな作曲センス、浮遊感のある女性Voの2つが揃ってるんです。

似てるんじゃないんです。同じなんです。楽曲がではなくて、醸し出す雰囲気、空気感が全く同じなんですよ。凄くないですか?

ディストーションを効かせた轟音ギターが空中浮遊する様にうなる。透明度の高い男女Voが漂う。シンセサイザーがその中で煌めく。このサウンドを軸に始終展開されていくわけです。正に、マイブラが最初に提示したシューゲイズサウンドです。

まぁ大前提として、マイブラLovelessは初めてシューゲイザーという新ジャンルを確立させた点からして、肩を並べるもクソもないんですけども、それでもここまで同じなのは並大抵のセンスじゃ到底出来ないです。

そもそもですよ、あるバンドのフォロワーって「あ、あのバンド好きなんだなー、ふふふ」ってなるか「おいあのバンドを汚すくらいならメジャーに出てくんな」ってなるかの二択だと思います。

その二択の中に割り込んで「…え?なにごと?…え?こわこわっ…」的な三択目を提言してくれたバンドこそFleeting Joysではないかと。

 

このアルバムの雰囲気は、本文内で少しだけ書きましたが、手っ取り早いのはMy Bloody ValemtineのLovelessを一度聴いてみることだと思います。

どうです?お前本当にレビューする気あんのかと胸倉つかまれそうな見事な結論ですね。

レビューの果たすべき役割を見事に大遠投してやりました。へへっ。

しかし、勘違いしないでください。Fleeting Joysはただのマイブラフォロワーでは収まりません。このアルバムは、間違いなく素晴らしい出来です。本当に良盤です。

なんだろ…半端なくマイブラ愛してるけど、実際それが簡単にできちゃう才能もある…。

……恋愛センスの半端なく高いヤンデレ

ごめんなさい。余計に意味がわからなくなった。

 

結論 : My Bloody Valentine → Fleeting Joys、この聴き順を忘れないように。試験に出ます。

 

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【トラックリスト】

1.The Breaking

2.Lovely Crawl

3.Go and Come Back

4.I Want More Life

5.Satellite

6.While I'm Waiting

7.Magnificent Oblivion

8.Where Do I End

9.Young Girls' Fangs

10.Patron Saint

11.Cross Out My Heart

12.Morphine Drip

 

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2.Lovely Crawl

Fleeting Joys - Lovely Crawl

 

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Despondent Transponder

Despondent Transponder

 

 

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Dakota Suite - Signal Hill

 

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英国産スロウコア/サッドコアDakota Suite、2000年リリースの3rd。

男性VoのChris HoosonとRichard Formbyが中心メンバー。その他のメンバーは固定されていないようです。

こちらは視聴して気に入ったので購入。モノクロだからジャケ買いとか、そんな幼稚なことしませんよーははははははははははは。

どうやら1998年から20枚以上アルバムをリリースしているという、かなりのハイペースさんです。

公式HPによりますと、今年の9月23日にも、ドイツのレーベルKaraoke Kalkからアルバム"The Sea Is Never Full"をリリースするようです。レーベル名が頭に引っかかってアルバム名まで入ってこないと思いますが。

 

そんな鬼才Chrisさん、デビューから2年目である今作ですが…

もう既にベテランの貫禄。音楽のベテラン臭は当然凄い、それに加えて人生のベテラン臭はもっと凄い。

「齢六十、幾多の苦難を乗り越えてまいりました。」こんな大御所俳優みたいなセリフを言える人が作った音ですよ、これは。

酸いも甘いも噛み分けすぎてて音の選択に無駄がない。今流行りの北欧家具以上に無駄がない。

Chrisのダウナーな歌声が、手数の少ないドラムとギターに乗っかる。何だか楽器一つひとつの音色が湿っぽくもあり、憂鬱の一言が似合いますね。

しかし、基本は憂鬱でありながらも、途中で温かみのあるトランペットも絡んできます。その音色がちょっとした幸せを表している様にも感じるわけで、完全にふさぎ込んでしまうような憂鬱ではないんですよ。

日々のマンネリに辟易した現代人が、ベットの上で腐りながら豆電球をボーっと見つめて、はたまた、大切な人を思い出して物思いに耽るような。そんな、ぼんやりした鬱加減ですかね。

この妄想に至ったのも、音のコンパクトさがその雰囲気を醸し出していたからであって。ちょっとそれに即したお話を。

以前、音楽に精通した方とお話しさせて頂いたとき「休符にも意味がある。休むためのものじゃなくて、その無音も音楽。」と仰っていました。

なるほどなと。音は詰まってりゃ良いってもんじゃねぇってことですよ。さらに言えば音楽でシンプルを極めるって、誤魔化しが効かない分ある意味真の究極なのかもしれない。…深い。

これ、正にそれです。一音一音の間に感じる静寂を楽しむ音楽です。楽器の余韻が混ざり合う心地良さを存分に堪能できる一枚です。

 

さて、個人的な考えですが、落ち込んでるときに聴く曲ってダウナー系が良いんですよね。

気分が下降している最中に、それに逆行するアップテンポを聴くこと…それって麻酔打って痛みをごまかしてる感覚に近いんですよ。

そうするよりも、いっそダウナー系を聴いてドン底までとことん落ちてやりゃ良いんですよ。後は自然と上昇する一方なんですから。

アレです、風邪は自然治癒が一番良いってやつです。体が頑張るから免疫を高めてくれるってやつです。

免疫が高まれば、強くなるんです。「心」が強くなるんですよ。

 

…ま、そんな私は毎年の様に風邪引きまくっても免疫が一向に高まらないんですがね。

なんでや。ふざけんな。

 

結論 : 落ち込んだときこそDakota Suiteで自然治癒。けど風邪引いたら病院に行きなさい。そのために病院はある。

 

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【トラックリスト】
1.The Cost Of Living
2.Close Enough To Tears
3.Clean Linen Sheets
4.Signal Hill
5.A View Of The Sea
6.Riverside
7.Raining Somewhere
8.Morning Heavy
9.I Turned Away So That I Might Not See
10.When Skies Are Grey

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1.The Cost Of Living


Dakota Suite - The Cost of Living

 

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Signal Hill

Signal Hill

 

 

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Jex Thoth - S/T

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米国産サイケデリックドゥームJex Thoth、2008年リリースの1st。

TOTEMというバンドから改名した様です。

赤いジャケットが目を引きます。そうです、案の定ジャケ買いでした。3年ほど前に。

女性VoのJexは各所で魔女魔女だと言われておりますが、普通に見目麗しゅうといった感じでございます。

見目麗しいほうの写真、好きです。

「まぁ!」って感じで。

 

そんな魔女が率いるJex Thothのデビュー作はと言いますと…

これ…合法ハーブですかね?ズッシリノッシリと地面を蠢めきながら進んでいくギター。そのギターサウンドと絶妙に絡み合うハモンドオルガン。そして何より面妖で艶かしいJexの歌声。

靄がかったサウンドプロダクションも相まって、完全にハーブですね、これは。

酩酊状態でふらりふらりと歩みを進めていくように、基本スローテンポで展開されていきます。サイケデリックドゥームですから当たり前なんですけども。

ただサイケデリックドゥームの真髄をこれほどまでに色濃く味わえるバンドもそうそういないでしょう。

コンクリ打ちの薄暗くて肌寒い地下室で、キャンドル無駄に沢山立てて演奏してるんとちゃうかと思わせる音の広がり方。もはやサイケデリックドゥームの神髄なのかすらわからない、一線を超越した空気間を醸し出しております。

それと、寝ながら聴いてたんですけど、「悪魔の呪いから逃れるために毎年1匹の動物を贄として差し出さなければならない」という言い伝えがある村のために生贄に捧げられる家畜の気分になってました。もはや儀式用ですこの音楽。

上記の妄想からもお分かりになると思いますが、Mrs.アングラの称号を鼻ほじりながらでも獲得できるんじゃないかってくらいのディープさです。

だって現状、YouTubeにアップされてる個人製作のMVの9割で儀式か魔女が出てきますもん。あと揃いにそろってモノクロ&画質粗め。住んでる国も思想も違うのに、こうも脳内に同じ想像を抱かせるバンドもまぁーーーいないですよ。世界中の歴史をさかのぼってアンダーグラウンド凝縮しました的サウンドなんですかね。

「これが本当のアングラってことぉ、お前らに見せてやるゼェェ!」みたいなこと言っているバンドが、案外メジャーなことやってんなと悟ってしまうレベル。どこに売ってるかわからない大釜で、サソリやマムシなんかを煮込んで最終的にとろみがかった紫色の液体を作れるようになってから初めてアングラ名乗りましょう。Jexは恐らく出来ます。魔女ですから。

 

なんだか直感で思ったことをツラツラと書き並べただけになってしまいましたが、それもこれも全部Jex Thoth由来の脱法ハーブのせいです。

いつもよりちょっと短めのレビューなのもJex Thothのせいです。

文才がないとかじゃないです。

Jex Thothのせいなんです。

私は悪くないです。

ガチで。えぇ。

 

結論 : 脱法ハーブ、ダメ、ゼッタイ。Jex Thoth、積極的に、どうぞ。

 

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【トラックリスト】

1.Nothing Left to Die

2.The Banishment

3.Obsidian Night

4.Separated at Birth

5.Son of Yule

6.Warrior Woman

7.Equinox Suite: The Poison Pit

8.Equinox Suite: Thawing Magus

9.Equinox Suite: Invocation, Pt.1

10.Equinox Suite: Damned and Divine

11.When the Raven Calls

12.Stone Evil

 

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4.Separated at Birth

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Jex Thoth

Jex Thoth

 

 

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Deafheaven - New Bermuda

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米国産ポストブラックDeafheaven、前作から2年ぶり2015年リリースの3rd。

男声Vo擁する5人構成。

このバンドは1st、2nd共にリアルタイムで購入しております。

1st出た時の衝撃は半端無かったんですよ。

しかも2ndの高評価を受けてなのか、今年はフジロックの参戦まで決めちゃってますし。国内外での快進撃が止まらないですね。

 

さて、そんなDeafheavenさん、今作も前作を踏襲した甘美メロ祭をちゃっかりこしらえてくるかと思ってましたが…。

蓋を開けてみれば、出だしはザックザクのスラッシーな刻みで、「甘さなんて無いぜ?…スキ?そんなもんねぇよカス。」てな感じのスタンス。

…かと思いきや、やっぱり手のひら大回転で「なんだ、お前いいヤツだな。」とでも言わんばかりに、次第に大人の寛大さをまじまじと見せつけてくるのです。惚れるよね。

その後も、攻め時でしっかりにメタルを前面に出し、ここぞとばかりに激情をブチ込み、頃合いを見て静寂パートを挟む。

叙情性は常に保ちつつ、この展開を見せつけてくる。メリハリが良いです。

そしてフロントマンのGeorgeは渾身のシャウトでエモーショナルに。本気の展開に本気の声を乗せる。

そんな彼は、金切り声に近い高音シャウトでも、男の中の男です。

以上に挙げた展開の巧妙さ、Georgeのシャウトもさる事ながら、やはりこのバンドといえば、幾重にも重なる音の厚みでしょうか。

音の洪水とは正にこのこと。もうジョバジョバですわ。

敢えて月並みな表現をさせて貰えば、涙腺崩壊。あっちがジョバジョバしてるなら、こっちも負けじとジョバジョバです。

ジョバジョバってのは、要するにですよ、「トレモロリフ、次はブラストビート、次はトレモロリ…ブラストビ…トレ…ブ…あれ?…ト…え?…ト、トレモラストビートォォォォォォオ!!!!!」って感じのことです。私の頭は至って正常です。

曲の展開、エモーショナルなシャウト、音の厚み、いやはや見事な三位一体です。聖書に乗るんじゃないかってくらいの三位一体っぷりです。

 

個人的には今作が一番の出来であると思います。今までの中で最もメタル色の強い作品ですかね。

激情の中に甘美さを包括してるタイプの音楽、舐め回したい程にメチャクチャ好きなんですよー。恐れ入りました。

 

New Bermuda、新しいバミューダって事ですけども、バミューダ海峡って知れば知るほど奥深いですね。

アレですよね、バミューダトライアングルですよ。何か消えるヤツですよね。

それと…ピューと吹くジャガーの中でバミューダなんちゃらみたいな技が出てきたような出てきてないような…そんな感じのアレっすよね。…うん。

 

結論 : New Bermudaが最高なのはわかってる。それよりNow Bermudaをもっと勉強します。すんません。

 

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【トラックリスト】

1.Brought to the Water

2.Luna

3.Baby Blue

4.Come Back

5.Gifts for the Earth

 

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1.Brought to the Water

 

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New Bermuda

New Bermuda

 

 

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