Marilyn Manson - Heaven Upside Down
米国産ロック、2017年リリースの11th。
あぁ、もう11枚目か…ベテランの域だな…と感慨に耽ってしまう今日この頃。
そんなしんみりしちゃう最中にマンソン様のニュースが沢山舞い込んできまして。
公演中にセットが倒れてボッキボキに骨折っちゃったり、MVでジョニーデップと裸のお付き合いに勤しんだりと、何かと話題を掻っ攫ってますが、当の本人「俺のパンツ、ジョニデのライターで燃やしたんだぜ!」と大変楽しそうなご様子なので、カピバラを見る様な温かい目で見守りましょう。
で、YouTube等で先行アップされていた曲を前回紹介しまして、アルバム期待ですねーって締めくくったので今回レビュー書きましたよ。
さぁ、そんな感じで待望の#1。
やっぱり危険なマソソソが存在してました。1stの荒々しく毒々しいという、マンソン特有の世界観が蘇ってます。銃剣の付いた二丁の鉄砲を乱射しながらブン回しつつ、全速力かつ絶叫しながら走り去っていく人くらい危ない。良いですねぇ。
で、なるほど1st回帰かな?と思えば、#2は近年の味のあるミドルテンポな曲調に、力強く表現力豊かな歌唱が乗っかるインダストリアル調ナンバー。これがまた格好いい。
そして歴代の代表曲に殴り込みをかける#3。今までのキャリアを詰め込んだ銃口を、耳の穴に捻じ込まれ、サビで一気に発砲されるキラーチューン中のキラーチューン。この曲はこの前も紹介しましたが、1stの影を強く感じる辺り、酸いも甘いも噛み分けた大人がしっかり暴れているという貫禄が滲み出ていて堪らんのです。
#4も前曲の展開を引き継ぐ様な形ですが、更にローテンポでダーク。ウィスパーな語り口と、一音一音にしっかりと質量を感じるボーカルのコントラストが光ります。
#5はピコピコ系のシンセが入っているものの、キャッチーになり過ぎない、絶妙なバランスが程良い。
凄く良い曲だけど、何か尺長くね?って感じてしまったけれど、良い曲だから長くても良くね?と自分の中で堂々巡りが起きた#6。ただ言えるのは、渋くてどんだけでも聴けるってことだけ。
#7マンソン様の貴重な鳴き声「アッアアッアアッアアーン♩」からカウベルみたいな音まで、どこかコミカル。大抵マンソンがこの手の曲作る時って曲名がハジけてるんですが、今回「JE$U$ CRI$I$」と平常運転でした。題名こんなだし、何処と無くおふざけ感漂ってるのに曲は普通に格好良いのがマンソンの為せる業なのか。
#8は、ローテンポの曲調の中では屈指の佳曲なのではと思いました。奥行きのある哀愁とダークさが、曲の世界観に没入させてくれます。何言ってんのって感じだと思うんですが、買って聴きましょう。職務放棄じゃないですよ。ダイレクトマーケティングってヤツです。マーケティングですから。賢いですね。
そして次は、どこか土臭いアメリカンロックサウンドで渋みを前面に出してくるタイトルトラックの#9。
終曲の#10は、#9の流れを受け継ぎ、アメリカンロックに、ダークさ、暴力性、インダストリアル要素を添加した曲。今のマンソンが作る終曲って感じですね。
蓋を開けてみれば完全なる初期への回帰では無かったですが、文句なんて一つもありません。そもそも本人は回帰とか微塵も思って無いでしょうしね。詳しくは分かりませんけども。
伊達にキャリア積んでないですねってのがしっかり感じ取れる、素晴らしい一枚だと思います。何だろう、マンソンに安定感とかキャリアみたいな類の文言はメチャクチャ似合わないけど、正にそれとしか言いようが無い、正真正銘の良盤です。
それはそうと、Mr.安定感って呼ばれてる人いるじゃないですか。
冷静に考えて響きのダサさが許容範囲を優に超えてません?
今のマンソン様は安定感凄いけど、その名前は付けたくないですね。
結論 : マソソソマソソソって綴りがMr.安定感だからそう呼ばれても仕方ないか。
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【トラックリスト】
1. Revelation #12
2. Tattooed In Reverse
3. WE KNOW WHERE YOU FUCKING...
4. Say10
5. KILL4ME
6. Saturnalia
7. JE$U$ CRI$S$
8. Blood Honey
9. Heave Upside Down
10. Threats of Romance
【YouTube】
3. WE KNOW WHERE YOU FUCKING...
【Amazon】
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