Jex Thoth - S/T
米国産サイケデリックドゥームJex Thoth、2008年リリースの1st。
TOTEMというバンドから改名した様です。
赤いジャケットが目を引きます。そうです、案の定ジャケ買いでした。3年ほど前に。
女性VoのJexは各所で魔女だ魔女だと言われておりますが、普通に見目麗しゅうといった感じでございます。
見目麗しいほうの写真、好きです。
「まぁ!」って感じで。
そんな魔女が率いるJex Thothのデビュー作はと言いますと…
これ…合法ハーブですかね?ズッシリノッシリと地面を蠢めきながら進んでいくギター。そのギターサウンドと絶妙に絡み合うハモンドオルガン。そして何より面妖で艶かしいJexの歌声。
靄がかったサウンドプロダクションも相まって、完全にハーブですね、これは。
酩酊状態でふらりふらりと歩みを進めていくように、基本スローテンポで展開されていきます。サイケデリックドゥームですから当たり前なんですけども。
ただサイケデリックドゥームの真髄をこれほどまでに色濃く味わえるバンドもそうそういないでしょう。
コンクリ打ちの薄暗くて肌寒い地下室で、キャンドル無駄に沢山立てて演奏してるんとちゃうかと思わせる音の広がり方。もはやサイケデリックドゥームの神髄なのかすらわからない、一線を超越した空気間を醸し出しております。
それと、寝ながら聴いてたんですけど、「悪魔の呪いから逃れるために毎年1匹の動物を贄として差し出さなければならない」という言い伝えがある村のために生贄に捧げられる家畜の気分になってました。もはや儀式用ですこの音楽。
上記の妄想からもお分かりになると思いますが、Mrs.アングラの称号を鼻ほじりながらでも獲得できるんじゃないかってくらいのディープさです。
だって現状、YouTubeにアップされてる個人製作のMVの9割で儀式か魔女が出てきますもん。あと揃いにそろってモノクロ&画質粗め。住んでる国も思想も違うのに、こうも脳内に同じ想像を抱かせるバンドもまぁーーーいないですよ。世界中の歴史をさかのぼってアンダーグラウンド凝縮しました的サウンドなんですかね。
「これが本当のアングラってことぉ、お前らに見せてやるゼェェ!」みたいなこと言っているバンドが、案外メジャーなことやってんなと悟ってしまうレベル。どこに売ってるかわからない大釜で、サソリやマムシなんかを煮込んで最終的にとろみがかった紫色の液体を作れるようになってから初めてアングラ名乗りましょう。Jexは恐らく出来ます。魔女ですから。
なんだか直感で思ったことをツラツラと書き並べただけになってしまいましたが、それもこれも全部Jex Thoth由来の脱法ハーブのせいです。
いつもよりちょっと短めのレビューなのもJex Thothのせいです。
文才がないとかじゃないです。
Jex Thothのせいなんです。
私は悪くないです。
ガチで。えぇ。
結論 : 脱法ハーブ、ダメ、ゼッタイ。Jex Thoth、積極的に、どうぞ。
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【トラックリスト】
1.Nothing Left to Die
2.The Banishment
3.Obsidian Night
4.Separated at Birth
5.Son of Yule
6.Warrior Woman
7.Equinox Suite: The Poison Pit
8.Equinox Suite: Thawing Magus
9.Equinox Suite: Invocation, Pt.1
10.Equinox Suite: Damned and Divine
11.When the Raven Calls
12.Stone Evil
【YouTube】
4.Separated at Birth
【Amazon】
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