あれるげんふりー

アレルゲンフリーと謳った音楽3割 雑談7割の添加物まみれブログ。

Beshken - Aisle of Palm

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ドレスデンって知ってますでしょうか。

中欧ドイツ東部に位置する第4の都市。

「ヨーロッパのバルコニー」の別名を持ち、

日本では「ドイツの京都」なんて呼ばれている観光都市です。

そんなドレスデン市内に、タイルで描かれた大きな壁画がありまして、それが鮮やかな黄色が広がる壮大な作品なんです。

私も生で見たときは感動しました。

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熱海城 以上の感動でしたね。

おい誰だ熱海城より感動しない建造物はこの世にないって言った奴は。

おい誰だ首元に幼児用バギーのタイヤでも巻いてんのかって言った奴は。

まぁ…そんなタイルの壁画みたいなジャケだなー、と思ったアルバムがあったのでこんな話ししました。

 

派手でもないけど地味でもなくて、ノリノリではないけど睡眠導入剤でもない。

ミニマルで繊細で、シンプルに良い。

特筆すべきは#2のGrey Ghostかなと。

ひとクセあるシンセが、どことなくオリエンタルで、耳から離れない。

#3もBeshkenのフロート感ある歌声がメインで、この曲もまた遊びのある音を入れていて、最小限でキャッチーさを生み出してるといいますか。こういう所憎いなーと。

程よいアクセントと心地よい揺らぎでスムーズに耳へ流れこんできます。

 

あ、スムーズと言えば、ドレスデンって元々は世界遺産だったんですが、のちに登録抹消された数少ない都市でもあります。

抹消された理由が、交通渋滞を無くすために橋を建設したからだそうです。

しかも偶然、道路を繋いだ先を辿ればテクノの聖地ベルリンへと通ずる道でもあるのです。

世界遺産の肩書きを捨て、音楽の道への悠々たる流れを手にしたドレスデン。その姿勢はこのアルバムの様な、黄色いタイルの壁画から譲り受けた精神なのかもしれませんね。

 

最高、ドレスデン

最高、Beshken

 

 

結論 : BeshkenはLA生まれNY拠点のアメリカ人プロデューサーです。

 

 

…もう一度言っておくか

 

 

結論 : Beshkenはニューヨーカーです。ドレスデン関係ないです。マジで。本当にジャケが黄色いタイルみたいだなーと思ったので。マジで。

 


Beshken - Cursed (Music Video)

 

 

リリース : 2019年

収録曲数 : 11曲

総時間     : 36分

 

 

JONY - Список твоих мысией 

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大きな玉ねぎの下で

舞台は九段下。

日本が誇る珠玉のバラードです。

日本語が分かる地域に生まれたお陰で歌詞が読める。

ありがてぇもんです。

 

今回紹介するのは、

おばけ玉ねぎ名産地、

舞台はアゼルバイジャン

キリル文字だからタイトルから歌詞まで全てが謎でなーんにもわかんないアルバム。

 

努力を怠ったとか言うなし。

声色とかメロディから言葉の裏を感じ取る空気の読めるジェントゥメンなだけだし。

 

何でしょう、シルクロード音楽って感じです

色んな国から色んな文化を持ってきて、自国のものにしちゃうみたいな。

例えば、

日本で味噌、韓国でコチュジャン、中国で豆板醤、インドでカレー、最後にアゼルバイジャンの料理にそれらを足す。

するとどうなるでしょうか…。

 

カレーになります。

カレーは万物をカレーにします。

 

間違えました。

例えも間違えたし話す内容も間違えました。

 

要するに、トラップとかレゲトンとかそう言うエッセンスが、(主観ですが)ロシア語圏特有のアンニュイな発声、アンビエントで寒々した曲に絶妙にマッチしてるってことです。

チルできるし、中にはダンサブルなものもあるしでとても飽きない。

 

あ、そうでした。

冒頭で伏線みたいに出した玉ねぎのくだりですけど、イスラム圏に多く見られるモスクの上にあるおばけ玉ねぎあるじゃないですか。

あれって諸説あるみたいですけど、コーランを読む際によく響くように設計されてるみたいなんです。

このアルバム聴いてて、まぁ言語とか宗教の関係性とか詳しくはわからないんですが、モスクの中で歌って木霊してる風景がピッタリだなーと思いまして。実際に木霊してる感もあります。

ロシアとかコーカサス圏の音楽って土着感と艶ツヤと無機質が混在してる感じがして凄い好みです。

 

大きな玉ねぎがある国は、良い音楽が生まれるんだなぁ。

 

 

結論 : けど結局玉ねぎもカレーで炒めればカレーだし、旨い。

 

 


JONY - Ты меня пленила

リリース : 2019年

収録曲数 : 9曲

総時間     : 25分 

 

 

 

Life is Pain - Bloody Melancholy

皆様、明けましておめでとうございます。 

明けたばかりですが、もう四月ですね。

元日から既に1年の4分の1が経過していますね。早い。

 

皆様恐らくされたのではないでしょうか。

元日の早朝に、凍える手をさすりつつ、

白い吐息とともに神様へお願いした「今年も良い年になりますように」…。

新年度を迎えた今、「今年度も働きたくないでござる」に変わってませんか?

そんな貴方に取り敢えず贈りたい一枚をチラッと紹介しておきますね。

 

 

 

※すこし痛々しいジャケ写だお。白樺ではないお。リスカだお。

 

 

 

Life is Pain - Bloody Melancholy (2006)

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人生全うしてりゃ痛いことなんて沢山あります。

そんな時はKim Carlssonの如く、咽び叫べばいいんです。

「働゛き゛た゛く゛な゛い゛て゛こ゛さ゛る゛」

こんな感じで叫んでいれば、こんなこと言ってないで何か行動起こそう、きっとそう思い立つ筈ですから。

そうなれば元日の願いに近づくんです。

中だるみしがちなこの時期にこそ、こいつを聴いて悟りましょう。

 

…あ、私の初詣ですか。

私は、極寒の神社で敢えて冷やしキュウリ売ってるけど案の定繁盛していない屋台に立つおじさんの虚空の表情を、じっと観察してました。

めっちゃ心痛かった。

 

 

結論 : みんな色々痛いよね。

 

 

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【トラックリスト】

1. Oppressive Nights in Mental Asylum

2. Bloody Melancholy

3. Negativity

 

YouTube

 2. Bloody Melancholy

www.youtube.com

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Marilyn Manson - Heaven Upside Down

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米国産ロック、2017年リリースの11th。

 

あぁ、もう11枚目か…ベテランの域だな…と感慨に耽ってしまう今日この頃。

そんなしんみりしちゃう最中にマンソン様のニュースが沢山舞い込んできまして。
公演中にセットが倒れてボッキボキに骨折っちゃったり、MVでジョニーデップと裸のお付き合いに勤しんだりと、何かと話題を掻っ攫ってますが、当の本人「俺のパンツ、ジョニデのライターで燃やしたんだぜ!」と大変楽しそうなご様子なので、カピバラを見る様な温かい目で見守りましょう。

 

で、YouTube等で先行アップされていた曲を前回紹介しまして、アルバム期待ですねーって締めくくったので今回レビュー書きましたよ。

さぁ、そんな感じで待望の#1。
やっぱり危険なマソソソが存在してました。1stの荒々しく毒々しいという、マンソン特有の世界観が蘇ってます。銃剣の付いた二丁の鉄砲を乱射しながらブン回しつつ、全速力かつ絶叫しながら走り去っていく人くらい危ない。良いですねぇ。

で、なるほど1st回帰かな?と思えば、#2は近年の味のあるミドルテンポな曲調に、力強く表現力豊かな歌唱が乗っかるインダストリアル調ナンバー。これがまた格好いい。

そして歴代の代表曲に殴り込みをかける#3。今までのキャリアを詰め込んだ銃口を、耳の穴に捻じ込まれ、サビで一気に発砲されるキラーチューン中のキラーチューン。この曲はこの前も紹介しましたが、1stの影を強く感じる辺り、酸いも甘いも噛み分けた大人がしっかり暴れているという貫禄が滲み出ていて堪らんのです。

#4も前曲の展開を引き継ぐ様な形ですが、更にローテンポでダーク。ウィスパーな語り口と、一音一音にしっかりと質量を感じるボーカルのコントラストが光ります。

#5はピコピコ系のシンセが入っているものの、キャッチーになり過ぎない、絶妙なバランスが程良い。

凄く良い曲だけど、何か尺長くね?って感じてしまったけれど、良い曲だから長くても良くね?と自分の中で堂々巡りが起きた#6。ただ言えるのは、渋くてどんだけでも聴けるってことだけ。

#7マンソン様の貴重な鳴き声「アッアアッアアッアアーン♩」からカウベルみたいな音まで、どこかコミカル。大抵マンソンがこの手の曲作る時って曲名がハジけてるんですが、今回「JE$U$ CRI$I$」と平常運転でした。題名こんなだし、何処と無くおふざけ感漂ってるのに曲は普通に格好良いのがマンソンの為せる業なのか。

#8は、ローテンポの曲調の中では屈指の佳曲なのではと思いました。奥行きのある哀愁とダークさが、曲の世界観に没入させてくれます。何言ってんのって感じだと思うんですが、買って聴きましょう。職務放棄じゃないですよ。ダイレクトマーケティングってヤツです。マーケティングですから。賢いですね。

そして次は、どこか土臭いアメリカンロックサウンドで渋みを前面に出してくるタイトルトラックの#9。

終曲の#10は、#9の流れを受け継ぎ、アメリカンロックに、ダークさ、暴力性、インダストリアル要素を添加した曲。今のマンソンが作る終曲って感じですね。

 

蓋を開けてみれば完全なる初期への回帰では無かったですが、文句なんて一つもありません。そもそも本人は回帰とか微塵も思って無いでしょうしね。詳しくは分かりませんけども。
伊達にキャリア積んでないですねってのがしっかり感じ取れる、素晴らしい一枚だと思います。何だろう、マンソンに安定感とかキャリアみたいな類の文言はメチャクチャ似合わないけど、正にそれとしか言いようが無い、正真正銘の良盤です。

 

それはそうと、Mr.安定感って呼ばれてる人いるじゃないですか。
冷静に考えて響きのダサさが許容範囲を優に超えてません?
今のマンソン様は安定感凄いけど、その名前は付けたくないですね。

 


結論 : マソソソマソソソって綴りがMr.安定感だからそう呼ばれても仕方ないか。

 

 

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【トラックリスト】

1. Revelation #12

2. Tattooed In Reverse

3. WE KNOW WHERE YOU FUCKING...

4. Say10

5. KILL4ME

6. Saturnalia

7. JE$U$ CRI$S$

8. Blood Honey

9. Heave Upside Down

10. Threats of Romance

 

YouTube

 3. WE KNOW WHERE YOU FUCKING...

www.youtube.com

 

Amazon

HEAVEN UPSIDE DOWN [CD]

HEAVEN UPSIDE DOWN [CD]

 

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Trivium - The Sin and the Sentence

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米国産メタルコア、2017年リリースの8th。

 

山口県といえば何を思い出しますか?
フグ?獺祭?錦帯橋安倍晋三
これらを思い出した人はパンピーです。ただのパンピーです。
全く…メタラーならコレですよ。
はいそうですキイチです当然ですね。

因みに私は真っ先にフグを思い浮かべました。当然ですね。美味しいし。


て事で今回は、山口県出身日系アメリカ人、フグもとい東野幸治もといマシューキイチヒーフィ擁するTriviumの新譜です。

毎度コンスタントに手堅く格好いいアルバムをリリースしている事から、私の中では安パイ的な立ち位置でした。勿論いい意味でね。
けどそれも過去のお話です。
結論から言いますと、教祖様かな?って錯乱するレベルに尊いです。典型的な信者に成り果てましたありがとうございます。

つえぇ。ほんっっとつえぇです。
今の所、今年のベストアルバム最有力候補です。

最近のアリーナロック路線と、初期のメタルコアの折衷が絶妙過ぎる。アリーナロックのドッシリとした進行と、メタルコアのエモさ激しさ。冬のホットミルクとラミー&バッカスくらい融和する。

 

初っ端タイトルトラックの#1。何この求心力のあるイントロ。むしろ求心力の方から秒でこっちに襲いかかってくる。何言ってるかわかんないと思いますが、確実に向こうは襲いに来てます。ひとしきり襲われた後は、マシューの野太く通る声と、コリー・ビューリーの咆哮の掛け合いに圧倒されながら、あっという間に6分間が過ぎます。
#2は、マシュー、コリーの両グロウルが効果的に用いられた、ミドルテンポで聴かせる。
で、個人的にかなり気に入った隠れた?佳曲である#3は、何と言ってもエモーショナルが過ぎるサビ。マシューの心の奥底から絞り出す様な声の力みが、こちらの心を恐ろしく揺さぶってきます。この部分だけで佳曲認定できる。
で、次の#4も素晴らしい。これはグラムロックに幾分か寄った、ドラマティックな盛り上がりのある曲。
曲の始まりにグロウルをかます曲にハズレなしってお婆ちゃんがよく言ってませんでした?それが#5です。クセになるサビのメロディ。Triviumは本当にメロディセンス抜群ですね。
グロウル主体で、途中に入るスラムデス的な刻みをするパートが中毒性高い#6。
何か2nd辺りのTriviumを彷彿とさせる、若々しさがありながらカッチリと嵌めてくる#7。
展開がスリリングだし、雄叫びが漢過ぎるよ…やべぇよ…ってなる#8。
人々はエスニックなリフが入ると弱い、人々は冒頭に囁いたフレーズがサビで浮上すると弱いという、いつ使うか分からない教訓を学び取れる#9。恐らくこの聴き方は何かを間違えていると自覚してますえぇ。
#10は気付けばサビを一緒に呟いちゃってる事間違いなし。
そして終曲#10もキッチリとタイトに激しさを保った攻撃的なリフで、油断する隙を一寸も与えずに終了。
最後はバラードで締め的なパターンがありがちですが、そうでなかったことがこのアルバムではとても良い方向に効いている気がします。スッパリ感とともに、名残惜しさも同時に押し寄せるので、リピート必須。

 

それにしても、Trivium史上最も製作者側の自信が滲み出たアルバムでしたね。1曲目にタイトルトラックを持ってくるわ、最後までずっと駆け抜けっぱなしだわで、純度の極めて高い格好良さを体感できるアルバムでした。

 

もうなんか小賢しい小ネタで締めるのも無粋なので、Trivium然とした一言で締めちゃいましょう。ちょっと長く書き過ぎてダルくなったってい(ry

 


結論 : 聴けぃ。

 

 

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【トラックリスト】

1. The Sin and the Sentence

2. Beyond Oblivion

3. Other Worlds

4. The Heart frim Your Hate

5. Betrayer

6. The Wretchedness Inside

7. Endless Night

8. Sever the Hand

9. Beauty in the Sorrow

10. The Revanchist

11. Thrown into the Fire

 

YouTube

 1. The Sin and the Sentence

www.youtube.com

 

Amazon

The Sin & the Sentence

The Sin & the Sentence

 

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