Mastodon - Cold Dark Place
米国産プログレッシブメタル、2017年リリースのEP。
最近、宮沢賢治とマリーアントワネットを足して2で割った食生活を送りたいなーと考えを巡らせているわさです。どうも。
ちょっと何言ってるか分かんないですな方のために説明すると、「玄米四合ト味噌ト少シノ野菜ヲ食ベ、足りなければお菓子を食べればいいじゃない。」ってことです。
平たく言えば乱れた食生活です。
中々プログレッシブな例え方ですねと思われたと思いますが、何を言いたいかと申しますと‥‥
マストドンのジャンルは一応プログレッシブメタルと括られていますが、実際のところ説明・分類しづらいです。そういう意味で、ジャンル説明がプログレッシブなメタルなのかもしれませんねってことです。
本題行きましょう。
私も登録はしてみたものの、何のアクションも起こすことなく、高速で流れ去っていく赤の他人の呟きをただ眺めるだけで終わったという、あのSNSではありません。
明らかにヤバい職についてそうな見た目をしてるにも関わらず、色々あざとくてズルい4人のいかちぃおじ様達の方です。
彼らといえば、唯一無二のサイケでスペーシーな呪術的ヘヴィサウンドで、メタル全体を見てもトップクラスの人気を誇るスーパーバンド。結果を見ると大衆的に人気なんだけど、サウンド自体はまぁ大衆向けではなさそうですよね。禍々しくてウネウネしててヘヴィネスで。
しかしながら、前々作辺りから、根底のらしさは据え置きで、徐々にポピュラーな方向へ舵を取りつつあるように思えます。勿論、いい意味で。
特にDr.のBrann DailorのVoとしてのプッシュが強くなったような気がします。というか印象的な曲で猛烈プッシュされているといいましょうか。"The Motherload"や "Show yourself"というマストドン史上超絶キャッチーな2曲を両方メインボーカルとして担当してる程、ウケの良さそうな声です。あの力強いドラミングをする姿からは到底想像できない…。
2、3年前の来日時のライブでは、喉の調子ばかり気になって「頑張って…頑張って…!!!」とスポーツ大会を陰で見守る彼女の如く応援しておりました。完全に余計なお世話ですが。
で、今回のEP『Cold Dark Place』では、超絶キャッチーな曲がある訳ではなく、宇宙に呑まれる畏怖を感じる凄まじい曲があるという訳でもなく、アルバムタイトル通り、夜の凍える雰囲気を纏っているといった感じ。
序曲"North Side Star"はスローなテンポから何かの儀式を彷彿させるサイケデリックさを感じさせる前半と、3分30秒を過ぎた辺りからリズムの刻みに変化が加わり表情を変える後半との対比が面白い。
先程触れたBrannがプッシュされている"Blue Walsh"は、空気の澄んだ夜を感じさせるエコーとしっとりとしたギターが印象的な一曲。
"Toe to Toes"はギターの牧歌的な入りから、轟音の渦の中を自由に飛び交うウネウネとしたギターと、印象的なハンドクラップを交えながら進む、如何にもなマストドン節が炸裂。近年のキャッチーなメロディも時折交えつつ、次々と展開されるメロディはどこも耳に残る。レコーディング映像のBrannが、あざと可愛すぎて悶絶モノなので見た方がいい。これは見ないと人生の晩期に悔やむことになる。
タイトルトラックでもある終曲"Cold Dark Place"は、アコースティックで奏でるレクイエムの様な物寂し気な曲調にTroyの野暮ったさのある声がブルージーさを醸す最後に相応しい曲で幕を閉じる。
EP4曲21分と、コンパクトな時間ながらアルバムジャケットの妖しい夜の雰囲気をふんだんに堪能できる仕上がりとなっております。
即効性のあるキャッチーさとは離れているかもしれませんが、マストドン特有の楽曲の巧妙さを味わうには充分魅力的な一枚であると感じます。
あんなにいかちぃ人達が、緻密に構成練って音楽創ってると思うと萌えるし、実際にアー写も動きもコミカルで萌えるしで、やっぱり色々ズルいよこの人達…。
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【トラックリスト】
1. North Side Star
2. Blue Walsh
3. Toe to Toes
4. Cold Dark Place
【YouTube】
3. Toe to Toes
【Amazon】
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