6LACK - Free 6LACK
米国産R&B、2016年リリース。
突然ですが私は都会が好きです。
田舎か都会どちらに住むといわれたら、被せ気味に即答するレベルです。
もしですよ、田舎派の人と問答でバトる機会があるとしますよ?
都会は煩くて疲れるじゃんと言われたら、
そのためのベッドタウンじゃんと返します。
都会には自然がないじゃんと言われたら、
独自の進化を遂げた無駄にデカい虫がいるよりはマシじゃんと返します。
人との繋がりが希薄じゃんと言われたら、
それはもはや個人の問題では?と返せますし、
極めつけに、なんでも物価が高いじゃんと言われたのなら、
それはあれやん、その、諸行無じょ…違うな、世の常みたいな…?(…うるせぇな)と返せるのです。
だから都会は孤高の存在なのです。
要するに何が言いたいかと申しますと
都会でオシャンな音楽を聴くとアガるよね⤴⤴⤴
これです。
ということで、今回紹介するアルバムは6LACKの作品です。
6LACKと書いて、読み方はブラック(black)です。
于ョ─ゥヶゑωτ″すレナー⊂″。
1990年代後半の元気な渋谷が脳裏に浮かぶ、とても良い名前ですね。
ディスってませんよ。
肝心の音楽性はほぼパラパラみたいなやつです。嘘ですR&B meets Ambientです。
根底はアーバン香漂うR&Bですが、全体的にアンビエント特有のこもりに包まれています。馬鹿っぽく言うとほわぁあ~ん、ほわぁあ~ん、って感じです。
6lackは非常に艶っぽい歌声の持ち主の、The R&Bシンガーなのですが、出身自体はラップバトル上がりだそうです。
その影響はしっかりと楽曲の中で色濃くでており、他のR&Bとは一線を画すものとなっております。
#1は、俺はこういう音楽やってますと言わんばかりの、挨拶チューン。
導入部分で民族楽器の笛のような音色がアンビエントの靄から顔をのぞかせます。そして6LACKは初っ端から畳みかけるように言葉を発していきます。まさにHip Hopの影響を色濃く感じます。うんうん、わかりやすく格好いい。
#2はトラップ調のHip Hopが割と前面に押し出されスリリング。しかしながらR&Bのスムースさも兼ね合わせていて流石。
#3に関しては完全にキラーチューン。スローなテンポで冷たい雰囲気の中を、6LACKが様々なフロウで縦横無尽かつ滑らかにスルスルと動き回る。深海のタコさんかよと思うくらいに。深海のタコさんがそんなに動き回るのかどうかは別として、それくらい衝撃的な佳曲。
#4も前曲に劣らぬクォリティ。こちらはR&B特有の艶やかさがジワジワ押し寄せてくる。
#6は高音のキラキラしたサウンドと胸に響くような重低音の対比が始終美しいし、6LACKの声質の世界観と絶妙にマッチするので、普段なら恥ずかしすぎて言えたもんじゃない「ジャズィ~やな」というシェイムワードを思わず口走りたくなる、これまた名曲。
そして最初の落ち着いたパートからガッとトップに持っていくのが巧すぎるやろと脱帽する#7。ほんと構成がテクニカルで聴かせてくれます。
#9と#10はひとつながりの様な展開に思えなくもない。物憂げなピアノをアンビエント空間が包み込む#9は始終憂いに満ちているようである。#10でも変わらず物憂げなピアノが軸ではあるものの、Hip Hopのビートと歌唱法で違いが生み出されている。ドラマチック。
最後の#11は9分越え。9分とアルバムの中で群を抜いて長い楽曲ではあるものの、決して中だるみすることはない。むしろ一つの短編映画を見ている様な感動すら覚える。
最後も前曲、前々曲同様ピアノで締めくくっております。てことは、これも含めて3部構成ってことなのかな?いずれにせよ最後にピアノ&ノイズで占めるのはズルいぜ兄貴…。
あぁ…これは個人的に半端ない名盤です。
夜の都会に灯るネオンが目に沁みちゃう光景にピッタリ合うアルバムとして紹介しようとしたけど、そんなもん小賢しいわってくらい名盤です。
これは都会だけの範疇で括ろうとしていた私も反省しておりますので、お詫びに田舎の良さも紹介しなくては。
田舎って、土地名+ジャスコ=〇〇ジャって略しがちで何か良いよね。
褒めてますよ。
結論 : 都会とか田舎とか関係ないよ。皆で6LACK聴こう。私は断固として都会派だけどな。
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【トラックリスト】
1. Never Know
2. Rules
3. PRBLMS
4. Free
5. Learn Ya
6. MTFU
7. Living U
8. Gettin' Old
9. Worst Luck
10. Ex Calling
11. Alone / EA6
【YouTube】
3. PRBLMS
【Amazon】
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