あれるげんふりー

アレルゲンフリーと謳った音楽3割 雑談7割の添加物まみれブログ。

Fallujah - Dreamless

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米国産プログレッシブデスメタル、2016年リリースの3rd。

Unique Leaderから、メタル大手レーベルNuclear Blastへ移籍後の初リリースです。

前作のアトモスフェリックス方面への路線変更が、ドンピシャ功を奏しましたね。

そんな感じで新ジャンルを開拓しちゃった草分けバンド様でございます。

 

さて大手進出しました今作ですが…

Q : 前作で魅せたプログレデスmeetsアトモス路線は今作も健在なのでしょうか。

A : Yes、健在です。

てことで、バリバリにアトモスってバリバリにプログレデスってます。

あー、良かった良かった。

せっかく見えてきた軸を無視し「ジャンルに縛られたくない」を呪文の様に唱えた挙句、底の見えない沼に自らダイブしていく困ったさんが後を絶たない現代社会ですから、本当に良かった…。

むしろプログレ・アトモス両要素が増しております。

前作では、プログレデスにアトモスをえいっと乗せたサウンドでした。

今作は、バンド・聴き手もろとも宇宙空間にえいっと放り投げ出されたかのようなサウンドです。

ジャケットに描かれている巨人の掌の上で、宇宙の神秘性と恐ろしさを見せつけられているかのようです。あのワカメみたいなのが手なのかはわかりませんが。

アトモス要素が増えたことで、音がぬるくなったなんてこともありません。むしろ静と動の緩急で生ハムメロン現象が起きてます。

というか、余分な贅肉を削ぎ落とし、よりシャープな仕上がりになったと言うのが妥当。

そしてプログレッシブさが増すことで聴きにくさも増すかと思われがちですが、案外そんなこともないという。個人的には前作よりも耳馴染みがいい気がする。

#1はSF映画でも始まるんちゃうかなと思わせるほど壮大な入り。その中にリズム隊が加わり、さらに暴虐性の高いグロウルVoが混じり…。

これが俺たちだ!みたいなFallujahアンセムと言っていいんじゃないでしょうか。

それとは一転#2では、リズム隊が手数で攻め立てるテクニックと凶暴性を一発かましてくるサウンド。

#3は、イントロから既に良曲の匂いが漂う、珠玉の生ハムメロン曲。静と動、男声と女声、この四つ巴のバランス…鳥肌ブァァ…です。本当に女性Voが物凄く良いアクセントとなっております。生ハムメロンです。スイカに塩でも良いです。

生ハムスイカ塩メロン曲認定です。

何とも妖しく艶かしい入りが素敵な#5、おしゃんてぃーインストの#6と続くのですが、どの曲も惚れ惚れしてしまう聴き心地の良さ。複雑かつ暴虐的なのに、不思議です。

そして最後の#12は、これが集大成やと言わんばかりに、力のこもった演奏をぶつけ、空間と同化したかのような女声が漂う一曲となっております。

頭振って踊るメタルというよりも、じっくり聴いて沸々と内なる力を滾らせるタイプのメタルです。

頭振れと言われても多分Meshuggah以上に困ると思います。

 

遠い未来には、火星への道中でスペースシャトルに乗りながら音楽を聴く時代が来るんでしょうねぇ。

今はまだ宇宙飛行士の道を志すしか方法は無いですから、我慢です。

宇宙飛行士の方がこのブログ見てるなんていう天文学的レベルの珍事が起きない限り、我らが身分は大人しく電気を消した部屋で室内プラネタリウムでも買って、しみじみ聴きましょう。

 

論 : JAXAの志望理由で「宇宙でFallujahが聴きたいからです!」とか口滑らすと試験落ちるから気をつけて下さい。

 

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【トラックリスト】

1.Face of Death

2.Adrenaline

3.The Void Alone

4.Abandon

5.Scar Queen

6.Dreamless

7.The Prodigal Son

8.Amber Gaze

9.Fidelio

10.Wind for Wings

11.Les Silences

12.Lacuna

 

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3.The Void Alone

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Dreamless

Dreamless

 

 

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Billy Talent - Afraid of Heights

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カナダ産パンクロック、2016年リリースの5th。

勢いで最新作の方も紹介です。

もう連続3回目なんでね、紹介いらないですよね。関口メンディーを超える角刈りの人がいるバンドです。

とか言いながらも最新のアー写では、Beginの比嘉さんみたいになってました。

BEGIN D'saなのかメンディー'saなのかハッキリしてほしいところです。

全くもうっ…!

 

よし、行きましょう。

1st、2ndと紹介してきましたが、そこからキャリアを重ねて良い変化をしております。
若々しさを前面に出していたデビュー当時と比べますと、渋みが格段に増しております。

無骨な骨太ロックを彷彿とさせるふてぶてしさすら感じます。

しかしですね、ここで間違えてはいけないのは、デビュー当初からの勢いあるサウンドは減退していないということ。

渋みを前面に出しながらも、衰えを知らない高田純次サウンドといったところでしょう。

それは#1を聴いただけでも、いつもの憂いと勢いもある、メインVoサブVoの絡みもある…けどいつもより男臭くないか?と気づくはずです。

続く#2はこのアルバムでも1、2を争うキラーチューン。なんとも耳に残るボーカルライン、しかも胃もたれしない爽やかさも兼ね備えております。

#4は小気味良いリズムで始終展開されていく、聴いていて自然と体を揺らしてしまうrock 'n' rollナンバー。

#5は曲の展開とサビのしゃがれた歌唱に貫禄すら感じる骨太ロックをゴリッゴリにプレイ。

#7は初期の音に一番近い音を鳴らしています。初期の頃から一貫した軸の部分を感じ取ることができます。

#9はキーボードが効果的な仕事をした、どこかMuseを彷彿とさせる近未来感のある仕上がりで、音楽の幅を見せてくれます。

ざっとこんな感じの構成ですが、大人の貫禄が増したパンクロックで、聴き応えのある素晴らしい内容となっております。

サマソニの予習をするのなら、このアルバム+ベスト盤で充分でしょうかね。

 

それにしても、MVあるあるの歌が巷では流行っておりますが、私の中の不動の一位は「女が追っ手に追われがち」なんですよね。

初っ端から追われるけど、この女は何をしたんやろなーとか、最終的に逃げ切るか死ぬかどっちかなーとか思いながら眺めてますけども。

皆さんも下のMVで、女が生きるか死ぬか予想してください。

見事、当たった方はご一報くだされば私からPC画面に向けて軽めのお辞儀を贈呈します。

さぁて、皆さんはどっちか分かるかな!?

 

結論 : 死にます。

 

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【トラックリスト】

1.Big Red Gun

2.Afraid of Heights

3.Ghost Ship of Cannibal Rats

4.Louder Than the DJ

5.The Crutch

6.Rabbit Down the Hole

7.Time-Bomb Ticking Away

8.Leave Them All Behind

9.Horses & Chariots

10.This Is Our War

11.February Winds

12.Afraid of Heights(Reprise)

 

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2.Afraid of Heights

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Afraid of Heights

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Billy Talent - Billy Talent II

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カナダ産パンクロック、2006年リリースの2nd。

ちょっと同バンド連投です。

実はこちらのアルバムを聴いて初めてこのバンドの存在を知ったので、2nd無しには語れません。

…まぁ、前記事そこそこに語りましたけど。

そんなこんなで思い入れのある2ndもサラッと紹介しようかなと思ったわけです。

 

念押しですが、今回はサラッとです。サラッと。サラサラっと。

1stを紹介した時に哀愁だ憂愁だとわめいておりましたが、今作も相変わらずの哀愁、憂愁でございます。

とか言いつつ、オープニングである#1はいきなりブッ飛ばしてきます。イントロでシャウトする曲は大抵が神曲という我が持論を証明してくれてます。そしてまたこれシンガロングがライブ向き。テンション絶頂です。

続いて間髪おかずに#2も素晴らしい。シンプルなドラミングにシンプルなギターリフが絶妙なバランスで格好良い。そしてサビでは思わず拳を上げて一緒に叫びたくなります。

#6では何とも耳に残るカラクリ感、サーカス感のあるメロディ…ちょっと何言ってるか分かんない人は、MV見れば一発でその世界観に飲み込まれます。

そして意外な一面をみせる#9。前半はじっくり聴かせるように静かな曲調、徐々に焦れた感情の様に浮き沈みを見せつつ盛り上がる展開。メインVoとサブVoの絡みが確実に泣かせに来ている良曲中の良曲。これはヤバイです。下に貼ってあるMVで聴いてください。

ご覧の通り、2ndは名曲揃いです。

サラサラっとだったので全ては紹介していませんが、他の曲も盛り上がり良し、哀愁良しの良曲たちです。

 

大げさな言い方すると、私のBilly Talent史のルーツとも言える2nd、最高です。

ちょっとアルバム紹介する順番を間違えた感あるけども、まぁ良しとしてください。

ライブのセットリストも、予想とちょっと違ったときの方が「そっちかー!攻めるねぇー!」みたいに個人的に盛り上がるでしょ?

それと同じですよ。

 

結論 : 果たしてサマソニでのセトリはどんな感じなんでしょう?私は行かないので一報を緩く待ってたり待ってなかったり。

 

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【トラックリスト】

1.Devil In a Midnight Mass

2.Red Flag

3.This Suffering

4.Worker Bees

5.Pins and Needles

6.Fallen Leaves

7.Where Is the Line?

8.Covered In Cowardice

9.Surrender

10.The Navy Song

11.Perfect World

12.Sympathy

13.Burn the Evidence

14.Ever Fallen In Love (With Someone You Shouldn't've?)

 

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9.surrender

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II

II

 

 

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Billy Talent - S/T

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カナダ産パンクロック、2003年リリースの1st。

8年前ほど前に購入したかな?多分。

購入したのはだいぶ前ですが、ふと無性に聴きたくなり掘り起こしました。

カナダでは国民的バンドらしいですが、日本ではあまり話題にならないなー、なんてずっと思ってまして、ちょくちょく来日してましたが、どうやら今夏のサマソニにも参戦するようです。

鼻クソみたいな過去の自分の誇りのためにも、この来日で一発かましてやってください。

 

そんな私一推しBilly Talentのデビュー作です。

ぶっちゃけ私エモコア・パンクというジャンルをあまり知らないんですけども、このバンドはひと聴きしてピンときました。

パンクって明るくぶっ飛んでくイメージ持ってますが、このバンドは何処か憂愁さをはらんだメロディが心に引っかかりましたね。

私、憂鬱やら哀愁やら叙情やらの単語に弱いんです。

そしてなにより、Voの粘ついた高音ヴォイスがもう耳にこびり付いて離れません。

そのVoの名はBenjamin Kowalewicz。コワレヴィッチ…。なんか凄い。

#1はイントロから徐々に焦らしあげるように進み、サビでコワレヴィッチがコワレた様にシャウト。オープニングにふさわしいコワレ様です。

そして#3はこのアルバムのキラーチューン。サビのシンガロングはライブで半端じゃなく盛り上がるんやろなー。サマソニ楽しいんやろなー。ええなー。

そして、終曲の#12は激しさの中に漂う哀愁が堪らない一曲。サビのメインVoとサブVoの掛け合いは鳥肌ガン立ちです。

とこんな感じの内容ですが、当たり前ですがパンクバンドなので基本的にノリは良いです。その中に散りばめられた哀愁のバランスが秀逸だこと秀逸だこと。

これを初っ端1stからやってのけてしまう辺り、流石です。カナダのグラミー賞と言われるジュノー賞を獲っちゃうのも頷けます。

日本人の耳には合うと思います。

曲の長さは基本的に3分台や2分後半が多め。ノリ良く次へ次へと展開されるので聴いていて爽快感があります。

このジメジメした梅雨の終わりを吹き飛ばしてくれるアルバムです。

 

あ、そうそう。

このバンドを語る上で忘れてはならないのが、外見のお話。

リードギター、Ian D'saの髪型。まさにモンスター級。なんのポリシーがあってかわからないけども、角刈りとリーゼントの極地。

まさにポケモンでいうところの岩タイプ。もうスマホをスワイプしてモンスターボール投げたくなっちゃう。

「あ、コイツ流行に流されてるわ」って思ったそこの貴方。確かに私は街中ウロウロしてますよ。この無理矢理ポケモンGOを絡めに来た辺りから容易に想像できますでしょう?

…けどね、そんな私はさて置いて、皆様はIan D'saを捕まえるために、サマソニへGOや!!!

 

結論 : サマソニGO出来ない人は、ポケモンGOしがてらCDショップGOや!!!


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【トラックリスト】

1.This Is How It Goes

2.Living In the Shadows

3.Try Honesty

4.Line & Sinker 

5.Lies

6.The Ex

7.River Below

8.Standing In the Rain

9.Cut The Curtains

10.Prisoner of Today

11.Nothing to Loser

12.Voices of Violence

 

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3.Try Honesty

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Billy Talent

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Melechesh - Enki

 

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イスラエルブラックメタル、2015年リリースの6th。

男性グロウルVo擁する4人構成。

今回このバンドのレビューをしようとした理由には深い訳があります。

夜中にカレーパンが食べたくなったけど、カロリーが気になった結果、エジプト臭の強いこのバンドを聴いて我慢したのです。

なんとも深い理由だ…。

そんなカレーパンの代用にもなる程の強い個性を持ったバンドなんです。

 

そんな第2のカレーパンのレビューでございます。何だか怒られそう。

まず、冒頭でも申し上げたようにエスニックなサウンド、とりわけエジプトを思わせるような旋律が特徴的なバンドです。

エジプト臭の強いメタルサウンドと言いますと、Nileが筆頭に挙げられますが、Melecheshは一味どころか百味違います。

では何が違うか。それはもう香辛料の使い方ですよ。

どういう事?と思われた方が大半だと思いますので詳しく説明を。

Nileの場合、何種類ものスパイスを丹念に調合し、風味を出すためにメタルというスープの中に溶かし込むスタイルです。

一方その頃Melecheshは、まだ粉末になっていない棚に並べられたスパイス全てを鼻息を荒くしながら鷲掴みにし、そこら辺に歩いてる見知らぬ人の口の中に、叫びながら半端ない勢いでブチ込んでいくスタイルなんです。

そう、蓋を開けた瞬間いきなりエジプト、曲中も休まずエジプト、曲の終わりもエジプト、次の曲もエジプト…このエジプトデンプシーロールを最後までかまされます。もう聴いてる方の顔面はボッコボコです。

全てのリフワークがエスニックな旋律で出来上がっている&しかもそのリフワークで爆走&シタールなどの中近東楽器まで登場。

ここまでエスニックなサウンドだと、もう隠し味のスパイスだとか云々はどうでもいいです。めちゃくちゃ楽しい。もはやエスニックハイですよ。

やはりそれもこれも全ての始まりは#1が元凶なんです。ミドルテンポでくるかと思わせておいて、不意打ちのアップテンポで爆走されちゃいます。一発思いっきり殴られたかのような衝撃的な格好よさ。

そして怒涛のドラムとエスニックなリフ、そしてゲストとしてMax Cavaleraが参加しているためにダブルVoの咆哮が冴え渡るキラーチューンである#3。ゲスト参加がニクい&ズルい。そんなん格好いいに決まってる。最高ですわ。

#7ではミドルテンポでありながらも胃もたれするくらいコッテコテな中近東的メロディ炸裂。

そして終曲#12は約13分もの大作と、何とも味の濃い内容となっております。

何でこんなに香辛料ばっかり食わんといかんのや!!!普通にカレーパンを食いたかったんや!!!と叫んでしまいそうです。

…あ、楽曲はどれも格好いいし、過去のアルバムもめちゃくちゃオススメなんですけどね。

 

そんなこんなで思い出しましたけど、行きつけのインドカレー屋さんがあるんですよ。

そこのインド人の店員さん、ランチセット頼む時、今日はコーラの気分だなーとか思ってる客を差し置いて「ラッシーネ。ラッシー。」で強制的にセットの飲み物を決めてくるんですよ。

「いやいやいや、おれ今日はコーラやけども?」なんて小心者の私が言えるはずもなく毎回ラッシーです。

この押しの強さに打ち勝つ心が日本人に足りないところなのかもしれないですね。

…いや、じゃあコーラとかオレンジジュースとか書かなくて良くね?

 

結論 : 中近東パワーに負けるな日本人。

   Melecheshを聴いて耐性をつけるんだ日本人。

 

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【トラックリスト】

1.Tempest Temper, Enlil Enraged

2.The Pendulum Speaks

3.Lost Tribes

4.Multiple Truths

5.Enki-Divine Nature Awoken

6.Metatron and Man

7.The Palm, The Eye and Lapis Lazuli

8.Doorways to Irkala

9.The Outsiders

 

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3.Lost Tribes

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Enki

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